
Gunilla Bratthall
マルメ大学助教授(歯学部歯周治療学教室)
Associate professor and acting head of Department of Periodontology,
Malmo University, Sweden |
スウェーデンにおける歯周病の診断と治療
歯周疾患の診断にはいくつかの異なる検査法がある。
歯周疾患では、患者が、症状を自覚しないために、早期診断が遅れることがある。しかしながら、歯肉炎や歯周炎の初期兆候を診断することが重要である。
プローブはやや原始的な器具ではあるが、X線写真では単に隣接部の骨破壊しか観察できないかため、現在もなお、最も重要な診査の器具である。手用のプローブは、圧力が制御できる規格化されたプローブと同等の再現性を有しているということが研究で示された。コンピュータに組み込めば、患者に対する情報提供にも有益なものとなる。さらに、プロービングによって進行中の疾患を示す出血や排膿を知ることができる。また根分岐部病変の検査には特別なプローブを用いることが推奨される。
X線写真はまた、歯周疾患の診断において辺縁歯槽骨のレベルを記録し、根分岐部病変を診査するために必要である。
歯周疾患においては水平に位置付けられた咬翼法X線撮影が最適である。再生療法が考慮される場合、この撮影法は歯槽骨内欠損の状態を最もよく描写することができる。
完璧な治療計画における歯周疾患の治療にはデンタルX線写真が必要である。断層X線写真は早期変化を探知できるが、スウェーデンでは日常的には使用されていない。しかしながら、デジタルX線写真は、スウェーデンのいくつかのクリニックで使用されており、患者に病状を説明することが、その一つの目的である。
微生物学的検査は、治療反応が減退している患者に使用される。細菌性の歯周炎には、抗生物質の使用が必要となることがある。このため、異なる種類の抗生物質への耐性パターンをテストするべきである。チェアサイドの微生物学的検査およびDNA法では抗生物質耐性パターンを検知することはできない。さらに、歯肉溝滲出液中の様々な酵素などの宿主要因は、疾患の活性を反映していると考えられている。最近ヨーロッパでは、唾液サンプルを用いた遺伝因子の検査が導入された。これらの検査は白人を母集団とする研究を基本としたもので、将来はさらに充実したものに発展すると思われる。
診断には通常、歯と支持構造に関連した要素が含まれるが、治療計画作成にはこれら以外の要素も関係してくる。治療計画作成には、歯列だけではなく、患者本人に関わる要素も考慮しなければならない。
講演では現在利用できる診査器具で得られる情報、および早期診断と的確な診断の重要性を明らかにする。 |