ニュース ホームへ

トピックス

■2007.9.13

平成17年歯科疾患実態調査結果から/杉山精一(コアメンバー・八千代市)
歯科疾患実態調査は6年ごとに実施されています。今回、今から30年前、1975年調査以降の推移について重要と思われる項目をグラフ化してみました。...

平成17年歯科疾患実態調査結果から/杉山精一(コアメンバー・八千代市)

歯科疾患実態調査は6年ごとに実施されています。今回、今から30年前、1975年調査以降の推移について重要と思われる項目をグラフ化してみました。

はじめに、1975年(昭和50年)当時の歯科の状況を日本歯科医師会雑誌の巻頭から振り返ってみますと、4月には「今後の歯科保険医療を示唆した給付外補綴」というタイトルで文末には「2万会員が回答したアンケートの80%は補綴を保険給付からはずせといってきている。この会員の血の叫びこそ焦眉の政策として今後大いに検討されるであろう」とありますが、翌1976年(昭和51年)7月には「差額廃止」が決まり、1978年(昭和53年)7月には「歯科医師数の将来について」で歯科医師増加に対しての対策の必要性を訴え、同年11月には「保険医療を基盤に」というタイトルで「医の倫理に立って国民皆保険の担い手として責任ある行動をとっていくことがもっとも大事なことである」とあります。このように歯科医療における健康保険制度の位置づけが大きく変化しはじめた時期だと思われます。

高齢者の欠損歯数の低下

折れ線グラフですと交差してよくわからないので、ここでは棒グラフとしました。

25〜34歳までの年代と55歳以降でDMFTが低下しています。25〜34歳の年代まではF(充填)の低下、高齢者ではM(欠損歯数)の低下が原因です。変化がない45〜54歳はまだ若年者のう蝕の減少の影響が及んでいないが、欠損はまだ少ない年代だからでしょう。ちなみに第1回の調査の1957年から2005年までこの年代のDMFTは常に16台で変化していません。

■1957〜1987年の報告書には「85歳以上」という年齢区分はなく、1993年報告書から掲載されるようになった。そのため、本表における1957〜1987年の「75〜84歳」は正確には「75歳以上」である。

12歳以降のDMFT低下が著明

若年者のDMFTの推移です。1981年以降年々低下していますが、前回の調査1999年と比較するとすべての年齢で低下していて12歳以降の低下が著明です。

■1957年〜2005年厚生(労働)省歯科疾患実態調査、5歳以上、永久歯のみ

義歯のいらない高齢者の増加

1975年当時は65歳以上の半数近くが無歯顎者でしたが、2005年には1/5となりました。無歯顎者の「人数」は大きく低下していませんが、65歳以上の人口が増加し有歯顎者の比率が大きく増加したためです。かつては高齢者=総義歯装着者というイメージがありましたが、これは過去のものになりつつあります。この有歯顎者の残存歯数がどんな状況かは、「2005年 現在歯数の歯数別割合 年代別」をみるとわかります。後期高齢者ではさすがに多数歯欠損が多くなりますが、前期高齢者65〜74歳では20本以上が50.1%と過半数になります。義歯のない高齢者の増加が現実のものとなってきました。

■1999年調査は、「現在歯数の分布表」から算出。1975〜1993年調査は、「喪失歯数の分布表」を用い、「28歯喪失」を無歯顎者とみなして算出。 1957〜1969年調査の報告書には、喪失歯数・現在歯数の分布表が出ていないので、無歯顎者率の算出不可。

最後に日本全体の65歳〜79歳の総歯数(一人平均現在歯数×推計人口)を算出してみました。

高齢者の現在歯数は30年間に約6倍

この年代の人たちの日本全体の歯数は、驚くべきことにこの30年間に約6倍に増加しています。これは高齢者人口増加と高齢者残存歯数の増加が相乗作用となった結果です。おそらく今後もこの傾向は続くでしょう。

この現状は、歯科医療に携わる私たちにとって、とても重要な事柄です。この年代の方々の残存歯はどのようなリスクをかかえ、どのようにケアしていくのが効果的なのでしょうか。様々な疾患を抱え薬の服用がある方も増加し、手術後に体力が低下し口腔内の状況が大きく変化する方もでてきます。

また、多くの人は仕事をリタイヤして収入が年金と貯蓄の取り崩しだけになります。ケアにともなう費用をどのように負担していくかも重要な問題となります。

以上の記事のデータは以下URLの厚生労働省のホームページに公開されていてエクセルもダウンロードできます。
http://www.mhlw.go.jp/topics/2007/01/tp0129-1.html

▲top


ゲストトップページへ

Copyright © The Japan Health Care Dental Association. ALL RIGHTS RESERVED.