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■2007.12.25 ビスフォスフォネート系薬剤服用者の外科処置で起こる顎骨壊死と骨髄炎

訂正 ニュースレターvol.10 no.6の『ビスフォスフォネート系薬剤服用者の外科処置で起こる顎骨壊死と骨髄炎』(15ページ)の記事中「もし、服薬していたら、治療は禁忌です。」と記述していますが、現在のところ「禁忌」とはされていません。危険性があることを患者さんに十分伝える必要があるものです。訂正します。

患者さんに、きちんと服薬履歴を聞いていますか?
ビスフォスフォネート系薬剤服用者の外科処置で起こる顎骨壊死と骨髄炎

飯田喜人(豊島区開業)

皆さん骨粗鬆症の患者さんに、抜歯処置や歯周外科処置あるいはインプラント治療をするとき、患者さんから、きちんと服薬履歴を聞いていますか? 長く患者さんと付きあっていると、知らない間に病歴が変化していることがあります。

その一つに女性に多い、閉経後の骨粗鬆症があります。今、整形外科や内科に通って、骨粗鬆症の予防薬としてビスフォスフォネート系のお薬を服用している患者さんが増えています。

以前は、癌の患者さんが骨転移を生じたとき、ビスフォスフォネート系の注射薬で治療すると、顎骨壊死や骨髄炎が起こることが良く知られていました。そのことは知っていても、骨粗鬆症の予防薬としてビスフォスフォネート系のお薬が頻繁に使われるようになったことをご存じない方が多いようです。ビスフォスフォネート系のお薬を服用している患者さんに簡単な抜歯治療等をした後、6ヵ月から12ヵ月経過して、忘れた頃に顎骨壊死や骨髄炎が起こったという報告が増えてきました。

説明同意書

「発生率は、少ないのでしょ」、「あまり使わない薬剤だから、私たちには関係ない」と思っている先生や歯科衛生士さん、それはとても危険です。

ビスフォスフォネート系のお薬を服用している患者さんに、簡単な抜歯処置を、普通にしたら、危険性があるのです。

昨年11月、日本歯科医師会は日本歯科医学会に対して、また日本歯科医学会は各専門分科会に「ビスフォスフォネート系薬剤による治療を受けている患者の顎骨壊死・顎骨骨髄炎」に関して注意喚起をするように緊急告知をしています。これは厚生労働省医薬食品局安全対策課から出された、薬剤の「使用上の注意」の改訂に基づくものです。

製薬会社に尋ねたところ、2007年11月現在、ビスフォスフォネート系製剤による顎骨壊死および骨髄炎の発生報告数は表のとおりであることがわかりました。

ですから、抜歯処置や歯周外科処置、インプラント治療をする前に骨粗鬆症の予防薬を服薬しているか、必ず聞いて下さい。どうしても、歯科治療が必要な場合は、患者さんに左のような説明をして、書面による同意を得ることをお薦めします。(説明同意書のPDFは左の画像をクリック)

 



薬別発生報告件数
製品名
(一般名)
適応症 製造
販売
発生
報告数
ダイドロネル
(エチドロイン酸二ナトリウム)
骨粗鬆症および脊髄損傷後、股関節形成術後および骨ベージェット病における初期および進行期の異所性骨化の抑制 大日本住友製薬 1件
フォサマック
(アレンドロン酸ナトリウム水和物)
骨粗鬆症 万有製薬 35件
ボナロン
(アレンドロン酸ナトリウム水和物)
帝人ファーマ
アクトネル
(リセドロン酸ナトリウム水和物)
骨粗鬆症 味の素
(販売:エーザイ)
15件
ベネット
(リセドロン酸ナトリウム水和物)
武田薬品工業
(提携:ワイス)

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