むし歯予防や歯周病予防のこと/一覧

こどもの歯の心配ごと/一覧

2001年02月08日
投稿者:のり
タイトル:子供へのフッ素コートの副作用について

1歳3ヶ月の息子に歯医者でフッ素コートをしていただくことをすすめられました。主人は副作用を心配しているのですが、過去に副作用を起こした症例は、あるのでしょうか。

息子は現在上の歯が4本、下の歯が6本はえています。


2001年02月09日
Re:子供へのフッ素コートの副作用について

卒後16年の歯科医です。1才3ヶ月で歯がはえはじめ、表情も豊かになり、可愛い盛りですね。さて、フッ素の副作用についてご心配されているようですが、やはり人体に薬物を使用する際には誰しもが副作用は気になりますね。フッ素は自然界にも広く存在し、地殻や海水、河川動植物にも微量ではありますが含まれています。また、私たちが口にしている様々な食品にも微量に含まれており、人体にとっての必須栄養素のひとつでもあります。フッ素そのものは安全ですが、摂取する量が重要です。例えば、エナメル質が作られる時期に体内に過剰に摂取された場合は、斑状歯といって白く濁ったあるいは白い縞模様の外観を持った歯になることはあります。しかし、斑状歯の場合はエナメル質の形成期に抗生物質の連用、栄養障害、熱性疾患の経験があったり、永久歯萌出前の乳歯の重症な虫歯があったりした場合にも現れます。

また、全身的に過剰に摂取した場合などは骨硬化症と言って、骨の石灰化が進み過ぎて、骨が硬化したり、関節の運動障害をおこす病気になる場合はあります。

しかしこれはあくまでも、大量に摂取した場合に起こるもので、虫歯予防に必要なフッ素の量はそれらの障害を発生させないような量に規定されていますので、心配ありません。フッ素塗布、フッ素でのうがい、フッ素入り歯磨剤を使用したり、またはこれらを重複して使用したとしても、体内の別の組織に蓄積されて障害を及ぼすことはありません。フッ素を必要とする組織以外には蓄積されず排せつされます。虫歯予防にはフッ素は有効であることは世界的にみても明らかなことです。しかし残念なことに日本ではフッ素を使用することに反対を唱える方たちもいます。フッ素そのものが毒性物質であると言う大前提で、副作用を誇張して表現したりしている記事を週刊誌などで目にすることがあります。様々な情報が溢れる中で、疑問に思うことも多いかと思いますが、先ほど申し上げたように、過剰な量を摂取し続ければ、障害は起こるでしょうが、フッ素を適切な量を適切に使用することで、多くの国で虫歯予防の実績をあげています。

私は虫歯ができて、細菌が繁殖しやすい環境になったり、様々な症状で苦痛を味わったり、治療でいやな思いをしたり、口の中に金属のやプラスチックの詰め物がされたり、その結果、二次的な問題が生じ、歯の喪失につながっていくなどと、このようなサイクルをそのままにしておく方がよりこわいと思っています。私自身、自分の子どもたちにも使用していますし、私自身も使っています。もちろん診療室にこられる方々へも、様々な形で使っています。

フッ素塗布の場合、通常年に3〜4回塗布しますが、実際には低年齢のお子さんですと、歯科医院の雰囲気やフッ素の味や塗布の行為そのものに抵抗やこわさを感じ嫌がる場合も私の経験でも多いです。フッ素自体は安全でもお子さんが気軽にその処置を受け入れてくれるかは別ですので、私自身、そのお子さんの負担があまりにも大きいと判断した場合などは家庭でのフッ素の使用を(フッ素のスプレー、歯磨剤、ジェルなど)してもらいながら、定期的にチェックに来ていただいて、医院や歯科受診に慣れてもらうようにして、徐々にすすめる場合もあります。いずれにしても、フッ素塗布にこだわらずまずは健康な乳歯列の完成、それに引き続き健康な永久歯の完成を目標にして定期的に歯科医院を受診していかれることをお勧めします。

「虫歯をつくりたくない」「健康な歯を守り育てたい」という意志をきちんと伝えて長いめでおつきあいしていただける医院をお探しになってください。虫歯のないきれいな健康な歯を守り育てることは親からこどもへのかけがえのない貴重なプレゼントになると私は思います。

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