●Dr.
Douglas Bratthallと日本ヘルスケア歯科研究会
Dr. Bratthallは、ミュータンスレンサ球菌の研究者として日本の口腔微生物学者と親しい関係をもっていた。しかし、彼が日本の開業医にとってポピュラーな存在となったのは、
1994年『カリエスリスク判定のてびき』(エイコー刊、柳澤いづみら訳)の刊行によってであった。つづいて1996年、日本ヘルスケア歯科研究会の設立の立役者となる熊谷夫妻、藤木省三、岡賢二が共同執筆した『クリニカルカリオロジー』(医歯薬出版刊)に、カリエスリスク評価プログラム(Cariogram)の考え方をまとめて寄稿した。
日本ヘルスケア歯科研究会は、設立と同時に、Dr. Bratthallに特別顧問を委嘱、1999年3月13〜14日第2回国際シンポジウム「カリエスフリーを育てる歯科医療」(日本青年館)に招聘、オランダのTen
Cate教授(ACTA)とともにカリオロジーについて熱い議論を展開した。
さらに翌年、2000年3月19〜20日第3回国際シンポジウム「健康を守り育てる歯科医療のために」(朝日ホール;有楽町マリオン)、のために夫人であり歯周治療学の助教授であるDr.
Gunilla Bratthallとともに来日、講演した。
その後、病気療養のため来日が途絶えたが、2005年3月19 - 20日、病気をおしてコスモスホール(都市センターホテル)にて、「カリエスリスク評価」についてのシンポジウムに参加していただいた。
日本のアカデミズムにおいて、未だにう蝕学(Cariology;カリオロジー)は臨床研究・教育のなかにその位置を占めていない。敗戦国であり、米国の進駐軍の影響下に戦後の歯科医師教育を始めたわが国と北欧では、あまりに条件が違うが、カリオロジーを微生物学的研究から疫学そして臨床に至る歯科医学の不可欠の体系として完成させたDr
Bratthallの努力は、わが国の保健衛生と臨床歯科医学に極めて大きな影響を与えた。
●訃報 Dr.
Douglas Bratthall
●Dr. Douglas Bratthallとカリオロジー

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