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カリオロジーと
フッ化物に関するコンセンサス
フッ化物の応用が、う蝕の発症予防およびう蝕の進行停止に大きな効果をもつことは、疫学研究によって実証されている。その公衆衛生的な応用における費用効果の高さも実証済みである。しかし、わが国においては、これまでフッ化物の応用について専門家のコンセンサスが十分に形成されておらず、そのために一般の人々の理解やマスコミの報道などには混乱が見られる。
またフッ化物に関する議論は、従来、カリオロジーのなかに位置づけられることなく、いわばフッ素を一人歩きさせ、その是非を論ずるという傾向があった。
そこでわが国の大学、学会の垣根を超えた専門家を対象にした調査結果を基に、国際的な権威を招き、フッ化物の利用に関するグローバルスタンダードと私たちの責務について明確な結論を導きたいと考えた。
- ●「フッ化物に関する専門家・会員意識調査報告」
- 岡 賢二(本会運営委員、IHCF会員)
- ●「カリオロジーを踏まえ、どのようにフッ化物を応用していくか」
- 熊谷 崇(本会運営委員、IHCF会員)
- ●「わが国の専門家のフッ化物に関する認識の問題点」
- 小林清吾教授(日本大学松戸歯学部)
- ●「う蝕予防とフッ化物の利用
--国際的動向、過去・現在」
- D. Bratthall教授(WHO顧問、本会科学顧問、IHCF代表、マルメ大学歯学部齲蝕学・予防歯科学)
- ●「カリエスコントロールにおけるフッ化物の働き--生化学的側面に焦点をあてて」
- JM ten Cate教授(ACTA副所長予防歯科学・オランダ)
- ●「ディスカッション」
- 司会:D. Bratthall教授
- JM ten Cate教授、小林清吾教授、熊谷 崇
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歯周病の全体像と歯周治療
この25年の間に歯周病の病因論は格段に整理され、治療の基本的な考え方は十分に定着したはずだった。しかし、適応と評価の定まらないさまざまな治療技術(GTR、エナメルマトリックスデリバティブ、根尖側移動術、MGS)、治療のゴールに関する論争(ポケット除去かポケットメインテナンスか)、歯周補綴やインプラントによって改めて問い直される抜歯の適応などなど、関心をそそる話題が出ては消え、消えては出るなかで歯周治療は果たしてどれほど臨床に根づき成果を上げているだろうか。
まず私たちは、歯周病の全体像を把握する必要がありはしないだろうか。その上で、何にターゲットを当てるべきか、どのような方法が有効で効果的か、どのような治療目標が妥当で、どこに向かって努力すべきかが明らかになる。
歯周疾患は、実は発症しにくい疾患であり、歯科医のだれもが容易にコントロールできるはずの疾患なのである。
- ●「臨床疫学と病因論から見た歯周病の全体像」
- 岡 賢二(本会運営委員、IHCF会員)
- ●「これからの歯周治療と診査・診断」
- 栗原英見教授(広島大学歯学部歯科保存第二)
- ●「スウェーデンにおける歯周病の診断と治療」
- G. Bratthall助教授(マルメ大学歯学部歯周病学)
- ●「臨床疫学データと長期経過観察から歯周治療を再考する」
- 熊谷 崇(本会運営委員、IHCF会員)
- ●「ディスカッション」
- 司会:岡 賢二
- G. Bratthall助教授、栗原英見教授、熊谷 崇
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